組合運営適正化サポート

管理組合の収入と支出

管理費・修繕積立金の見直し

最近になり、ようやく「マンションは管理を買え!」の意味が、「管理組合の運営自体の良し悪し」であることが言われるようになってきました。これは、これまでのように、誰かに任せきりの組合運営を行っているとマンションの価値にも響くと言うことです。

このことに気がついた管理組合は何をすべきでしょうか。まずは、管理規約等を確認することは勿論ですが、管理組合の財政状況を正確に把握することです。管理費は適正か、修繕積立金が将来は不足しないかなどを検証することが大切です。

実際にここ数年、管理費等の削減を行う管理組合も多くなり、それをビジネスとする業者なども存在しています。この様な中で、マンション夢設計では、あくまでも適正な業務、適正な価額であることが重要であることをご説明しています。実際は、価額の比較だけで決めてしまう(惑わされてしまう)管理組合が多いわけで、その結果、管理の質の低下を招くこともあります。

マンション夢設計では、マンションの価値の向上に繋がる管理費・修繕積立金の見直しをサポートしています。

 

管理組合の収入と支出

区分所有者は、敷地や共用部分等の管理に要する経費に充てるために、管理費・修繕積立金を管理組合に納入するのが一般的です。その額については、各区分所有者の共用部分の共有持分(専有面積の床面積費)に応じて算出している管理組合もあれば、専有面積がほぼ同じである管理組合などは、同額としている場合があります。いずれにしても、管理規約に規定されているでしょう。

※管理規約の規定がなければ、区分所有法によることとなり共用部分の共有持分(専有面積の床面積費)比になります。

 

管理組合の収入

管理費と修繕積立金(管理費等)

■徴収の目的

管理費は、敷地及び共用部分等の管理に要する費用のうち、通常の管理に要する経費に充てるために徴収されます。修繕積立金は、敷地及び共用部分等の管理に要する費用のうち、特別の管理に要する経費に充てるための準備金として徴収されます。特別の管理とは、周期的かつ計画的に行う大規模な修繕、不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕、敷地及び共用部分等の変更、建替えに係る合意形成に必要な調査などをいいます。

■負担の義務

区分所有法第19条によって、共用部分(同法第21条において準用される建物の敷地又は共用部分以外の附属施設も対象となります。)の管理に要する負担の義務を明確にしています。

■負担割合

各区分所有者の負担割合は、区分所有法第19条で、共用部分の持分に応じるとしています。
共用部分の持分割合とは、専有部分の床面積の割合のこと言います。負担割合は、管理費等を全住戸「均一割合」又は「同額」というように、区分所有法とは別の管理規約による定めをすることもできます。

■算出方法

管理費の算出方法は、1年間に経常的な維持管理に支出される諸費用を積算し12等分します。それを専有部分の総面積で除して㎡当たりの単価を算出し、これに床面積を乗じて月当たりの負担額を算出します。修繕積立金の算出方法は、長期修繕計画に従って設定すべきとされています。

 

使用料

使用料は、特定の区分所有者が敷地や共用部分を独占的・排他的に使用する場合の対価です。
駐車場使用料、駐輪場使用料、専用庭使用料、ルーフバルコニー使用料などです。

■使用料の額、賦課徴収方法

使用料の額の設定方式に特に決まった算出方法はありません。その中で、設定方法に注意すべきは、駐車場使用料です。駐車場使用料の単価は、近隣相場、住戸数に対する設置率等を十分に検討することが望まれます。更に、機械式駐車場については、日々のメンテナンス、将来の更新等相当の費用がかかると思われることから、当該駐車場に係る長期修繕計画を策定した上で、必要な修繕積立金と通常の管理に要する費用を合算して使用料の設定をする必要があります。機械式駐車場使用料の大半が管理費に組み込まれている場合は、早急に機会式駐車場の長期修繕計画と修繕積立金の状況を検証することが必要です。マンション標準管理規約第29条(使用料)のコメントでは、「機械式駐車場を有する場合は、その維持及び修繕に多額の費用を要することから、管理費及び修繕積立金とは区分して経理することもできる。」としており、その方が望ましいと言われています。マンション標準管理規約では、使用料の額並びに賦課徴収方法については、総会の決議によるとされています。

 

その他の収入

管理費等以外の収入としては、預金利息、保険の配当金、雑収入等が考えられます。

 

徴収方法

徴収方法は、管理規約や総会の決議で決めることができます。実際の徴収方法は、直接振込、定額自動送金、預金口座振替等があります。マンション標準管理規約では、預金口座振替の方法としています。

 

管理組合の支出

管理費からの支出(使途)

マンション標準管理規約第27条では下記のような経費に充てるとしています。

  • 一 管理員人件費管理員を雇って管理業務を行わせる場合に、管理員に支払う費用です。受付等の業務、点検業務、立会業務、報告連絡業務、管理補助業務など
  • 二 公租公課
  • 三 共用設備の保守維持費および運転費照明設備、防火設備、エレベーター設備等の保守維持費や設備の使用に伴う電気代など
  • 四 備品費、通信費その他の事務費掲示板や事務用の机・椅子等の備品を購入する費用、電話代、切手代等の通信連絡費用、消耗品費など
  • 五 共用部分等に係る火災保険料その他の損害保険料
  • 六 経常的な補修費経常的な補修費としては、簡単なペンキの塗り替え、集会室の窓ガラスの取替え費用など
  • 七 清掃費、消毒費及びごみ処理費業者に委託して共用トイレの消毒を行う場合の費用、焼却炉によるごみの処理に要する費用など
  • 八 委託業務費管理業務の全部又は一部を管理業者に委託する場合に支払うべき費用※全部を一括委託する場合には、一、三、七号は、通常、委託業務費に含まれる場合が多いと思われます。
  • 九 専門的知識を有する者の活用に要する費用マンション管理士、弁護士、司法書士、建築士、公認会計士等の国家資格者やマンションリフォームマネージャー等の民間資格取得者など
  • 十 地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成に要する費用管理組合が居住者間のコミュニティ形成のために実施する催事の開催費用当居住者間のコミュニティ形成や、管理組合役員が地域の町内会に出席する際に支出する経費等の地域コミュニティにも配慮した管理組合活動費※各居住者が各自の判断で自治会、町内会等に加入する場合の自治会費、町内会費は別のものです。
  • 十一 管理組合の運営に要する費用 会議費、広報及び連絡業務に要する費用、役員活動費など
  • 十二 その他敷地及び共用部分等の通常の管理に要する費用

 

※配水管等の清掃費用等は別として、専有部分への支出は出来ません。マンション標準管理規約第21条(敷地及び共用部分等の管理)

 

修繕積立金からの支出(使途)

マンション標準管理規約第28条では下記の経費に充当する場合に限って取り崩すことができるとしています。

1 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕

  • ① 外壁改修(塗装)工事費
  • ② 鉄部塗装工事費
  • ③ 屋上防水工事費
  • ④ 給水管・排水管取替工事費
  • ⑤ 受水槽・高知水槽取替費用
  • ⑥ その他

2 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕

  • ① 建物・設備の経年劣化による不足の故障等の改修
  • ② 自然災害又は開催・爆発等による復旧等

3 敷地及び共用部分等の変更

4 建物の建替えに係る合意形成に必要となる事項の調査に係る費用

5 その他敷地及び共用部分等の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理

上記1~5以外では、○建替え決議又は建替えに関する全員の合意後であっても、マンション建替組合の設立の認可等の間において、建替えに係る計画又は設計等にかかる費用○上記1~5の経費に充てるため借入れをしたときの返済

 

※同条では、修繕積立金は、管理費とは区分して経理しなければならない、と規定しています。

将来の大規模な修繕等のための資金として積み立てている修繕積立金を、日常の管理のための経費に充ててしまうと、大規模修繕等の際に資金が足りないと言うような事態を招く恐れがあります。