建物・設備の維持管理 サポート

大規模修繕工事

大規模修繕

「大規模修繕」とは、長期修繕計画を踏まえて計画的に実施する「計画修繕」のうち、建物の全体又は複数の部位について行う大規模な修繕をいいます。また、一般的に修繕と言いますがその中には下記のような改良、改修も含んでいます。

 

■修繕

劣化や損耗が進んだり、建物の機能が損なわれた場合に、部材の補修や取替えを行い、基本的には初期の性能レベルまで回復させること。※修繕を怠ると、漏水、断水、エレベーター停止等、快適な生活や機能の維持に支障を来すばかりではなく、外壁タイルの落下等により、人的又は物的な被害を招くこともある。被害がなかったとしても劣化等は進み、結果として多額の費用を要する。

■改良

建築や設備のグレード、機能又は性能が陳腐化して使用上又は居住上の問題がある場合に、当初の性能を超えて、あるいは新しい機能等を付加してレベルアップを図ること。

■改修

技術等の進歩により、その時代に合わせて行う修繕及び改良のこと。

※計画修繕に対して経常修繕がありますが、これは、簡単なペンキの塗り替えなどです。

 

修繕の目的

修繕は、単に時期が来たからではなくその目的を明確にしておくことが大切です。

一般的に考えられる修繕の目的

◆事故防止・・・コンクリート片・タイル剥離、手摺り腐食落下等

◆不具合の解消及び予防・・・雨漏り、赤水、排水不良、漏水等

◆耐久性延伸・・・躯体、鉄部等

◆美観・快適性向上・・・塗装等

◆居住性・機能性向上・・・耐震性・断熱性の向上、バリアフリー対応、幹線容量増大等

◆資産価値向上・・・居住価値、使用価値向上

 

大規模修繕の進め方

大規模修繕の基本的な進め方(例)

  • ① 管理組合の発意
  • ② 専門委員会の設置・検討
  • ③ 建築士事務所の候補の選定
  • ④ 委託費見積依頼・ヒアリング・内定
  • ⑤ 総会の開催・決議
  • ⑥ 業務委託契約(調査・診断、修繕設計、工事監理)
  • ⑦ 調査・診断
  • ⑧ 修繕基本計画
  • ⑨ 組合員への説明会等の開催
  • ⑩ 工事資金計画
  • ⑪ 修繕設計
  • ⑫ 施行会社の候補の選定
  • ⑬ 工事費見積依頼・現場説明・ヒアリング・内定
  • ⑭ 総会の開催・決議
  • ⑮ 工事請負契約
  • ⑯ 大規模修繕工事の施工
  • ⑰ 竣工(完了検査、工事費清算)
  • ⑱ 設計図書・書類の引渡し
  • ⑲ 修繕時の履歴情報の整理・保管
  • ⑳ アフター点検 

 

専門委員会の設置

大規模修繕工事は、その発案から工事の実施等まで相当の期間(2~3年)がかかります。また、内容も専門的ですから、業務執行機関である理事会が通常の業務を行いながら進めて行くには厳しい状況にあります。こういった中、大規模修繕工事をスムーズに進めるために、集中し継続して大規模修繕工事の業務が出来るよう設置するのが専門委員会です。

■専門委員会設置のメリット

  • ア 構想から工事実施まで、必要な工事内容の調査、区分所有者全員への情報提供、意識付け、工事施工者の選定、工事実施等と2~3年を要すること。
  • イ 内容が専門的であること。
  • ウ 理事会は、管理組合の業務執行機関として通常業務でも多忙な状況にあること、理事は1年ないし2年で交替するのが通例であること。
  • エ 大規模修繕工事を実施する時期にその分野に詳しい人が必ずしも理事に就任していると
    は限らないこと。

 

■運営細則の制定

大規模修繕工事を円滑に、また、適切に実施していくためには、専門委員会が本来の業務を遂行しその機能を果たすことが不可欠です。→ 専門委員会を設置する前に、まず、その位置付けや業務の内容、委員会の運営方法等の重要な事項を取り決め、専門委員会運営細則を制定することが重要です。

※細則に定める事項目的、役割、報酬、委員の資格と選出方法、役員・任期、諮問内容、解散等

 

■専門委員会の位置付け

マンション標準管理規約第55条(専門委員会の設置)理事会は、その責任と権限の範囲内において、専門委員会を設置し、特定の課題を調査又は検討させることができる、

2 専門委員会は、調査又は検討した結果を理事会に具申する。

             ↓

       

理事会の諮問機関であると言うことです。

 

■専門委員会の役割

●専門委員会は、広義では、大規模修繕工事の実施に関する業務を担当し大規模修繕工事を円滑かつ適正に完了させるための重要な役割の一端を担っていますが、その具体的な業務、役割は、大規模修繕工事に関する事項について理事会からの諮問に基づいて、調査、検討しその結果を答申することであり、理事会を補佐することです。

専門委員会の答申・提案等が理事会方針とされるかどうかは理事会決議によるものであり、再諮問等になることも考えられます。これは理事会と専門委員会との関係からすればあり得ることです。この点は、専門委員会の構成員に対し十分に周知しておく必要があります。

 

■専門委員会の答申

●理事会は諮問事項に対する的確な答申が得られるよう、専門委員会に諮問する場合には、その都度、具体的な諮問事項、内容を示すことが重要です。※専門委員会の役割を逸脱するような行為等については、毅然とした対応が望まれます。

●専門委員会の答申を一部修正する場合などは、専門委員会に一部修正等の理由を説明した後に再諮問するか、または理事会において修正する等の対応が必要です。

 

外部専門家の活用

■工事範囲、工事仕様、工事費、見積等の適否の判断等については、より専門的な知識が必要とされることから、建築士やマンション管理士等の外部の専門家に専門委員会の業務を一部委託することもあります。

 

設計監理方式と責任施行方式

■建物の調査・診断から工事までについての進め方を考えるとき「設計監理方式」と「責任施工方式」の2つがあります。

●設計監理方式

調査・診断・修繕設計、工事監理などの専門的、技術的及び実務的な部分を委託する方式。
設計と施工がと分離していますから、施行会社の選定を同一基準で適正に行うことができ、工事の厳正なチェックも期待できるので、管理組合にとっては安心して進められる方式である。と、言われています。一般的に、コンサルタントと呼ばれる専門家です。

コンサルタントの役割

  • ア 長期的維持保全計画の基本となる長期修繕計画が作成できること
  • イ 長期修繕計画案に基づく修繕積立金の算出ができること
  • ウ 建物等の劣化状況等を把握するための調査・診断が実施できること
  • エ 大規模修繕のための修繕設計、すなわち工事仕様書や修繕図面が作成できること
  • オ 施工会社の選定に当たり、客観的な判断に基づき、適切な助言及び協力ができること
  • カ 必要に応じ、専有部分と共用部分との区分の明確化、場合によっては管理規約改正等の検討及び提案ができること
  • キ 資金計画、借入金等に関する助言ができること
  • ク 大規模修繕の実施に関して区分所有法、建築基準法その他の必要な法律的な手続きの助言ができること
  • ケ 施工の際のその品質管理が十分できること
  • コ 該当する工事のアフターサービス、若しくは瑕疵に関する管理組合の相談窓口であり、その解決に必要な管理組合への助言、工事業者への指導等ができること

※一級建築士なら全てこの業務ができるかというとそうではありませんから、要注意!

●責任施工方式

調査・診断から修繕設計までも含めて、複数社の施工会社から選んで請け負わせる方式です。第三者のチェックがない方法になりますので、管理組合による監理体制が望まれます。

 

管理会社が一業者としてかかわる大規模修繕工事

■管理会社が設計監理を行う場合

■管理会社が工事の元請け業者となる場合

上記の2つの場合、通常の管理委託契約外の業務になり、委託契約とは別の契約を締結します。※大規模修繕工事に管理会社が全く係わらないでよいと言うことではありません。大規模修繕工事の進め方について検討する際に、管理会社の立ち位置や関わり方について確認しておくことをお勧めします。

 

修繕基本計画・修繕設計

■調査・診断、修繕基本計画で必要なこと

  • ① 不具合や問題点が単なる経年劣化によるものか、当初建設時又は前回改修時の不備(設計、施工)によるものかを明らかにすること※瑕疵の立証責任は、売主や施工会社ではなく管理組合側にあります。
  • ② 改良・改善が必要及び望ましいのはどこか、又は何かを見極め、提案すること
  • ③ 緊急に対処すべき事項と基本的対策法(事故防止)を述べること
  • ④ 大規模修繕としてまとめて行うべき事項、内容及び時期を提言すること

■修繕設計(改修設計)

修繕設計(改修設計)は、調査・診断によって修繕が必要とされたものについて、修繕をどのような材料と工法で行うのか明確にしたものです。そして、これに基づいて工事費の見積もりができて、適切な工事施工が行えるものであることが必要です。→ 工事仕様書と設計図

■資金計画

工事費用を修繕積立金、一時徴収金で補えない場合は、金融機関からの借入れが必要な場合もあります。

共用部分の工事費に対する融資は総会決議が必要です。

○独立行政法人住宅金融支援機構、民間金融機関でも融資を行っています。

○地方自治体によっては利子補給や補助金などの助成制度を設けています。

 

施工会社の選定

施工会社の選定のポイントとしては、建設業法上の許可はもちろんのこと、見積内容、工事費の妥当性、管理体制、姿勢等が選定の基準になります。

 

総会決議

■総会決議の内容

①実施する工事計画を行う基本的意義

  • ア 計画立案を進めるに当たって準備してきた経緯
  • イ 修繕工事の内容
  • ウ 修繕工事の内容
  • エ 必要工事費

③施工会社の選定・契約内容

修繕積立金残高の現状から、必要工事費が不足するための資金の調達が必要であれば、その方法等についての具体的な提案をする。

②資金計画

施行会社と工事請負契約の内容を決定する。

■総会の準備

修繕・改修工事を実施するための議案について、適切な説明を行い、質疑応答を経た上で計画した修繕工事の実施決議を得るためには、総会での様々な場面に対応できるよう、細かな準備が必要。

  • (ア)工事仕様書の作成に当たった専門家の同席
  • (イ)提案する側(理事会)の意思統一
  • (ウ)提案説明における法的根拠の明確化
  • (エ)事前の準備段階における反対意見等の聴取と事前対応の準備
  • (オ)工事対象の範囲、数量、金額等の数字の明確な説明

 

工事請負契約の締結

■工事請負契約の締結

工事を実施するに当たり最も重要な書類であり、契約に違反した時の処理方法等も含めて詳細に取り決める必要がある。

①工事請負契約書、

②工事請負契約約款

③工事費内訳書

④設計図書

⑤工事工程表

⑥保証承諾書

■工事監理者

契約内容や条件設定、契約書のまとめ方等について、管理組合の立場に立って助言、指導。

 

工事監理

■工事監理の必要性

施行状況を様々な面から第三者的な立場で的確にチェック(監理)することが、その工事を成功に導く大きなポイント。
→ 対応能力を備えている管理会社、設計事務所等

■工事監理委託契約における留意事項

■工事監理業務

※工事完了時竣工検査(施行者検査、監理者検査、管理組合検査) → 最終工事代金の審査 → 工事完了に伴う監理報告施行会社(竣工届、竣工図書)→ 工事監理者工事監理者(工事監理報告書)→ 管理組合

 

アフターサービス・工事保証

 

夢設計の業務

① 大規模修繕工事に関する体制整備の補助

勉強会の実施の企画及び実施(大規模修繕工事の進め方など)

【業務例】勉強会:大規模修繕工事の進め方簡易建物診断(現地マンション簡易調査に1時間)

                           報告書作成簡易診断報告及び勉強会(質疑応答含む)2時間

【報酬】63,000円~

② 大規模修繕工事コンサルタント又は施工会社選定の補助

設計監理方式とする場合のコンサルタントの選定補助責任施工方式とする場合の工事業者選定の補助

【業務例】業者選定に関する共通仕様書の作成見積及び提案書の取り纏め

              比較表作成、報告

              候補会社選定補助プレゼンテーションの実施補助

              契約書締結の補助

              総会開催の補助

【報酬】210,000円~