「分かりやすい解説」シリーズ

第一弾 管理規約 その② 管理規約の改正(変更)

管理規約は変更しなければならないのでしょうか?

管理規約は、マンション管理の最高自治規範であることから、その作成にあたっては、 管理組合は、建物の区分所有等に関する法律に則り、「マンション標準管理規約」を参考として、当該マンションの実態及びマンションの区分所有者等の意向を踏まえ、適切なものを作成し、必要に応じ、その改正を行うことが重要である。さらに、快適な居住環境を目指し、マンションの区分所有者間のトラブルを未然に防止するために、使用細則等マンションの実態に即した具体的な住まい方のルールを定めておくことが肝要である。  管理規約又は使用細則等に違反する行為があった場合、管理組合の管理者等は、その是正のため、必要な勧告、指示等を行うとともに、法令等に則り、その是正又は排除を求めることが重要である。

上記は、国土交通省が「マンション管理の適正化の推進に関する法律」に基づいて定めて公表した「マンションの管理の適正化に関する指針」の、管理組合が留意すべき基本的事項を一部抜粋したものです。

指針にもあるように、管理規約はあっても実態に即していないルール、形骸化した管理規約であっては、適正な管理組合運営の実現は厳しいものになります。

■管理規約改正(変更)を検討するタイミング

①管理規約が形骸化しているとき

②諸法令の改正が行われたとき

③マンション標準管理規約が改正されたとき

④マンションの実態に応じて改正が必要なとき

管理規約は、改正(変更)すれば良くなるというものでもありません。指針の後段にあるように、管理規約に違反する実態があれば、それを是正する力を管理組合(理事会)は持たなければなりません。是正を求める管理組合(理事会)の負担は増すことになります。

まずは、各区分所有者が自分たちのルールを理解し、ルールに従いよく守るという意識を持つことがとても大切です。そのためには、管理規約の改正までの合意形成に力を入れることに加えて、改正後には応報等を継続するなどルールの周知徹底に努めることが大切です。